★★★★…4.0
面白かったという噂を知って、去年から借りてみようと思っていた一作。
でも、近所のTSUTAYAには1枚しかDVDを置いていなかったので、なかなか借りられなくって、こんなに時間が経ってしまった。
最初の方から人物と話がちょっと交錯していたので、先を見通しながら観てしまうと、心地よく騙されるってことが出来なくなると思って(騙される快感があるということだったんで)、[ユージュアル・サスペクツ]を観た時のような、騙された〜!という快感をまた味わいたくて、予想するのを極力抑えながら観た。
そんなわけで、ただゆっくり話を追うだけにしよう…と、のんびり構えていたら、登場人物たちが、中心となる舞台のモーテルに集まってくる展開の中で、いきなりスパーンと人が吹っ飛ぶ!
それを観て、[ジョー・ブラックをよろしく]や、[ファイナル・ディスティネーション]の中のワンシーンを思い出した。
フツーに立っていた人がいきなり吹っ飛ぶって、どうしてあんなに怖いんだろう?
人間の存在の不確かさや、ちっぽけさを感じてしまうような、大きな力を見せつけられるからだろうか?
そのシーンのあと、中心舞台に人が集まってくる様子の描き方には、とても引き込まれた。登場人物それぞれの紹介のようなものを出してきていたのだけれど、「こういうことがあったからこうなって…」という描き方には、「これはこういう感じがスキな人にはたまらん展開になってきたぞ!」とうっとりさせられた。
ただ、そのあとしばらくは「何だこれ、13日の金曜日ですか?」という感じに人が消えていったので、「これはもしや…すっごく気持ち悪い、血どばーっの、ごてごての死体が満載になっちゃうのかな?話に深みはないのかも?そういうの苦手なのに…しまった〜、またやっちまったか?」と、一瞬、観始めたことに後悔の念を抱いてしまった。
けれど、そんなにひどくて正視できません!てほどのものは出てこなかった…と思うデス…場面だけを観て、観たままで考えないでいると、ついつい「死体だらけ系?」なんてこと考えちゃって、だめよねぇ。
とまぁ、引き込まれつつもそんな感じで観ていたのだけれど、あるシーンから「もういいや、予想っていうか考えちゃおう」となってきた。
…ああ〜、どう考えて感想を書いても、ネタバレ必須になりそなこの映画、どうすればいいかなぁ( ̄‥ ̄)=3…って、ちょっとだけネタバレ。
その、考え始めちゃったシーンというのは、レイ・リオッタの背中が映し出されたシーン。
その背中は、血で汚れていた。
「でも、これでレイ・リオッタが真犯人じゃ、はまりっぽすぎちゃって映画的に絶対まずいでしょ!」と考えて、真犯人は実は○○みたいに、犯人の予想を立ててしまった。コレはちょっと失敗だったかな?
ただ、「どういう理由でここに人が集まったのか、どうして次々に人が死んでいくのか」ということの方には、自分が考えついた通りだと、ある納得がいかない部分があったせいで「それじゃあおかしいもんなぁ」ということで、こちらには騙される快感を求めよう〜と思った。
そして明かされていく真実を突きつけられた、ジョン・キューザックの演技はとてもよく、脚本的にも「自分はむなしい存在である…他の希望を持った人物を助けよう」ってとこは素晴らしかった。
けれど、ラストはねぇ…「あ、そう、やっぱりそうでしたか>真犯人」という感じ。
でも、コレはずいぶんヒントのようなものがあったから、予見出来てもしょうがないかな〜という感じだった。
一度目は観るだけにして、二度目にじっくり観た方が、もっともっと楽しめただろうなぁ〜というのが本音だけれど、それにしてもかなり面白かった。

[アイデンティティー コレクターズ・エディション]
DVD ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2004/02/06 ¥3,990
大雨で閉ざされたモーテルに、行き場を失った11人の男女が居合わせる。そこで起こる連続殺人。生存者たちは疑心暗鬼になりながらも、自分たちに奇妙な「共通点」があることに気づく。それは偶然ではなく、誰かの企みなのか? 予想もできない結末が彼らを待っていた…。 『17歳のカルテ』などを手がけたジェームズ・マンゴールド監督によ…

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