★★★…3.5
 【ディパーテッド】を昨日観てきた。
この、ディパーテッド以外にも、マリー・アントワネットも公開初日だったので、混雑を心配していたけれど、雨と時折雪がちらつく空模様のせいか、思ったほどの混雑はなく、安心。
まぁ、元々席を予約してあったので、観られないとかそんなことはないんだけど…
ヒトは皆、そんなものかもしれないけれど、人混みって苦手というか、すぐイライラしちゃうんで、気分よく映画を楽しめなくなっちゃうから。

DVD:マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ主演での3度目の顔合わせは、香港映画の傑作『インファナル・アフェア』のリメイク。
舞台をボストンに置き換えているが、基本のストーリーはオリジナルに忠実だ。
犯罪者の家に生まれながら、まっとうに生きることを誓って警察官になり、マフィアへの潜入捜査を任されるビリー。一方…


 「凄い…」と思っていた[インファナル・アフェア]のリメイクだから、それなりの期待をしていたので…
部分的にですが、拍子抜けなとこが、たくさんありましたわ。
それでも、トリプルキャスト!に思える、素晴らしい出演陣は光ってると思ったけれど…
>特に、ジャック・ニコルソン。あと、マーティン・シーンも。
彼のおじいちゃんっぷりにはびっくりしたけど。
(総髪白髪で、ちょっとうちの父みたい!とか思っちゃった)
レオナルド・デカプリオや、マット・デイモンも、それぞれとってもステキな演技をしていた。
 けれど何だか、鋭い苦悩を表すにはよくても、苦い痛みなどを表現するには、若く感じてしまって。
彼らでもまぁ、すでに三十代半ばだし、いいといえばいいんだけれど、それでもやはり、もそっと年嵩で疲れ感を自然に滲みだせる、四十代初頭くらいの、例えばブラッド・ピットやキアヌ・リーブスに代表される世代の俳優がやるべきだったと思ってたりしてる。

【以下、ちょっぴりネタバレちっくになってます】



 映画自体、かなり愉しめたとは、思ってはいるのだけれど、

*時間が長いというか、配分が悪い
 ココ数年で、超大作といわれる長い映画に慣れてきてるっていうのに、途中でお尻が痛い〜なんて思い始めちゃって、集中が途切れちゃった。
隣の席のヒトは、お一人様なのに、始まって割とすぐに何かぶつぶつ文句を言った後、ぷーぷー居眠りしてましたわ(苦笑)

 特に、せっかくの【凄い話】をぶち壊しにしちゃう、べったべたの恋愛がらみなシーン。
以前も何かでコメントしたが、欧米では、秘めた想いとかっていうのはあんまり受け入れられないらしい。
(アメリカ人や帰国子女の友人曰く、どちらかというと彼の国では、成就することに邁進することこそ、愛なのだそう)
そういう違いがあるとは知りつつも、”誰かに対して愛情を持っている”という表現には、別に肉を持ってして何足るかでもないのに、あんまり必要そうでもないシーンを持ってきてて、うっとおしかった。
そんなのよりも、もっと【潜入たち】の周囲との関わりや状況を、深〜く描いたりしてほしかった。
だって、あのままじゃ「なんでこれでバレないんだろ?>特にデカプリオの状況」って感じで…
重点を置くべきシーン、流せばいいシーンの時間配分がまずかったのでは?

*最後のシーン、要らね
 え?て感じで思わず、口汚い表現をしちゃう。
何ですか、コレは。
えっと…もしかしてこれは、単にシリーズにしないという、意思表明かしら?くらいに思っちゃう(苦笑)

 せっかくの色々な伏線(女医に渡した封筒とか)を収集せずに、バッサリ切って終わったあげく、最後のアレについての動機付けは、観客の皆さんにお任せしますってことですかい?
驚愕のラストという触れ込みだったけれど、コレだけはいただけませんでしたわ。
別の意味で驚愕ですな。
まぁ、こういうラストなら、あの封筒はどうでもいいことになっちゃうのかな?
データがなくなってても、ちゃんとなってたし。

 とっても深かった[インファナル・アフェア]の苦悩を、[ディパーテッド]では全く違ったタイプの痛み、即物的な苦しみを見せられた…そんな気がしちゃいました。
でも、こうも文句付けてますが、ちゃんと愉しめたんですけど…
それなりに面白かったからこそ、文句も付けたくなるってことですな。
ワタシは原作があるものには、ついつい原作を尊重してぇ〜!って思う方なので…
今作、[ディパーテッド]は、[インファナル・アフェア]三部作を知らない方には、なかなかいいと思われます。

 *まだ公開間もないので、しばらく経ったら、また完全ネタバレな感想の追記をしたいと思います。

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